2012年2月21日火曜日

飯館村 味噌の里親プロジェクト

東中野仲間の間 kosumiさんで、お味噌のWSがあり、参加してきました。
 私は いつも麹でお世話になっているヤマキ醸造から講師が来るというので 参加したのですが、これは全村避難となっている福島県飯館村に古くから続くお味噌を伝える重要なプロジェクトでした。

 福島県飯館村佐須地区で、古くから独自の味噌作りが営まれていました。菅野栄子さんの農産加工グループが作っていた土蔵の中の胡桃材の樽の中で麹菌の生きる「さすのみそ」。

 この「さすのみそ」を種味噌にして、その遺伝子を 味を 文化や思い出を繋ぎ、残そうと言うのが このプロジェクトの主旨です。出来上がった味噌の一部をヤマキ醸造さんに預かっていただき、また つなげて行きます。

 まず、主催の増田レアさんから「さすのみそ」と経緯の説明があり、福島市出身の佐藤典昭さんから 70歳代が多い避難所に避難されている菅野さんの先の見えない不安感に何か出来ないだろうか、味噌を繋げる事で、希望が沸くかもしれない というお話がありました。
 そう、佐藤さんはカウンターを持って 飯館村から50kgの「さすのみそ」を持って来てくれたのです。

 味噌の里親プロジェクトで検索すると 色々出ます。ご興味ある方は検索してみて下さい。里親は大募集中です。

 最後に今日の講師 ヤマキ醸造の角掛さん。教える感じに年期を感じます。

 飯館村の大豆、お米を使う事はかなわず、秋田県産無農薬大豆、ヤマキ醸造の玄米麹、塩は天日塩で、長崎県対馬産浜御塩です。(この塩 いくらだろう、、、)
 種味噌である「さすのみそ」は放射能検査に出し、不検出です。やはり、土蔵、胡桃材の樽、塩蓋に守られているからねと角掛さんは言います。そして 継いで行く物だから良い物を使おうと。

 厚手のビニール袋、材料が配られます。

原料, originally uploaded by soleil_yoko.



 まず ビニール袋に麹と塩を投入。角掛さん それぞれ食べてみましょう、と号令。そうか、気がつかなかった。
 玄米麹は固いのですが、噛めば噛む程甘みが出てきます。塩は、、、いいお塩ですね。バランスがよく尖った塩味もなく ゆるゆると甘みが広がります。

 そして シェイクシェイクのかけ声で みんなでビニール袋を振ります。


シェイクシェイク, originally uploaded by soleil_yoko.



 次に蒸した大豆を加えます。真空パックになっていて 暖かくはありません。またシェイクシェイクです。


IMG_0763, originally uploaded by soleil_yoko.


 その後 空気を抜いて 上の方をしっかり輪ゴムで縛り、ひたすら(30分程)こねる様に豆を潰して行きます。その間、ソーラン節有り、民謡有り。こういう作業に向いた歌の様です。
 私はピザ生地をこねる様にという事だったので、つぶしながら押して 2つに追ってまたのばしての様な感じにしてみました。
 角掛さん曰く、30分かけるので、リズムよくやると後々 痛くなる所が少ないと。

IMG_0764, originally uploaded by soleil_yoko.


IMG_0765, originally uploaded by soleil_yoko.


 角掛さんのチェックを受け、人肌のお湯で溶いた飯館の「さすのみそ」をだいたい200g程(お玉2杯弱)をそれぞれがもらい、また よくよく混ぜます。

IMG_0770, originally uploaded by soleil_yoko.

人肌のお湯にゆっくり溶きます。


IMG_0772, originally uploaded by soleil_yoko.

気持ち 色が濃い。



 種味噌はスターターの役割なので、必ず生味噌でなくてはいけません。大手の味噌は出荷する時に100℃位まで加熱しているので、酵母が死んでいて使えません。(それは 放射能を身体の外に出さない味噌ってことだよね)

 「さすのみそ」美味しかったですよ。もちろん。私は胡瓜が欲しくなりましたが、焼きおにぎりを連想した人が多かったです。

IMG_0773, originally uploaded by soleil_yoko.

最後はこんな色でした。種味噌 恐るべし。


 発酵食を色々やっていると 古い物を少し分けてもらうと良いという事を聞きます。糠床も古い糠床を持っている人がいたら分けてもらうといいと言われた事があります。
 私は毎年梅干しを漬ける瓶は一緒だし、ぬか漬けの樽は冬に白菜漬けを漬けます。そうやって 少しずつ 酵母を色々な所につけているつもりなのです。使う前は煮沸消毒をしますが、何となくね。

 だから、今 秋まで保存する容器に悩み まだ ビニール袋のままです。角掛さんはガラス、琺瑯、プラスチック何でも良いと言いますが、私は容器が呼吸する瓶か、樽に入れたくて 悩み中です。

 保管中の注意事項は、

 ビニール袋から容器に移す時に空気を抜く様に詰めて行く事。
 表面に落としラップをして、カビが生えない様にする事。
 重しは同量位でいい。
 北側の風通りの良い所に置く。太陽光線は絶対にだめ。
 シンク下は、暖かいお湯が通るのと色々な雑菌がいるので、絶対にNG。

 5月21日(90日後)に切り返しをします。
 白いもやもや(酸膜酵母)は問題ないが、黄色、赤、青カビが生えていたら すべて取り除く。

 9月21日(7ヶ月後)初食

 自分の好みの所で、冷蔵庫に移すと発酵が弱まるので、その状態をやや保持できる。
 
 白味噌というのは、3ヶ月位で仕上げます。甘みと旨味の線がクロスするのが11月頃で、9月はまだ西京味噌や白味噌系の甘みがあるお味噌です。その後 米味噌の旨味が出て来て、八丁味噌のような香りが良い味噌になって行きます。

 種味噌というわかっているようで、わかってなかった良さ。
 飯館村の遺伝子を伝える事。

 大変 勉強になりました。秋まで熟成させたお味噌を持って、避難所の菅野さんを訪ね、豚汁などを作りたいとと思いました。

 なお、味噌の里親プロジェクトは3月10日まで 里親を募集しています。ご興味がある方は ご一報ください。